2012/03/07

からだの森をゆく We must 『go-on』

胸の中に、円盤の上にのったボールがある。それが動くと体が動く。ボールが円盤をはみ出した時、体は外に弾かれ、ボールに引っ張り回される。
ひじに、手先に導かれ、体が体に翻弄される。
伊藤キムさんによる舞台公演『go-on』からだの森をいくプロジェクトのリハーサルが続いています。
ダンサーはキムさんの言葉に愚直なまでに没頭し、体が意図しない事が体に起きるところまで、出かけて行きます。

動きを生み出すためにモチーフを使い、イメージを持ち、言葉を紡ぎ、感情を震わせ、動きが訪れるのを待つ。やがて体と知覚がフルスピードで追いかけっこを始めるまで、体を投げ出し、使い尽くす。

これは肉体的にも、精神的にもかなりハードな作業であり、容易に答えの出ない険しい道のりです。稽古場では、迷い、戸惑い、立ち止まりながらも、体と辛辣に向き合うダンサー達の姿が、見られます。それぞれが、体ひとつで、混沌と困惑の中を行く中、徐々に熱気を帯びて行く稽古場には豊かで贅沢な時間が、流れます。

体の中には円盤なんてない。その上ボールなんて、ありっこない。
しかし、私達はその先に、かつてない発見がある事を願って、飛び込むのです。なんてったってこのプロジェクトのタイトルは『go-on』からだの森をゆく

険しくも楽しいハードなピクニックは、まだ始まったばかりです。
go-on / からだの森をゆく サイト http://go-on-kim.com/

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