2012/11/17

ダンスがダンスになるまでに

さてさて、年末のschatzkemmr × 京極朋彦ダンス企画「 HOUSE 」に向けてリハーサルは進んでいるわけですが、実は今回は自分の振付作品だけでなく、schatzkemmrさんの作品にダンサーとして出演します。

リハーサルは実は10月から始まっています。
初めて一緒にやる振付家の作品に戸惑いながらも、頑張っています。
自分では絶対やらないようなことを振られるので、難しい点もありますが、その分、新たな発見があって、かなり鍛えられます。

そして何よりダンサーとして受ける言葉の体感を改めて考える良い機会です。
現在、自分の作品のダンサー達も、僕の言葉に右往左往しているので、、、彼女たちはこんな体感を持ってやっているのかと、改めて自分の言葉のチョイスやタイミングに気を付けわなければと思います。

それにしても人の振付を踊ったり、自分の振付を渡したりする作業は大変です。
自分はソロを多く作ってきたし、いわゆる「ダンス」というものを長く習ってこなかったというコンプレックスもいまだにあり、ダンサーとしては、自分の中での折り合いを付けるのが大変です。

もちろん作品のために最善を尽くすのがダンサーの役目なのですが、やはり心の奥底にある、消え去らないコンプレックスが邪魔をします。頭では分かっていても体がついてこない。
心と体は繋がっているので、知らず知らずのうちに、体に負荷がかかります。

「体が面白いのが一番面白い!」とか「京都から世界へ」とか言っておきながら、やはりまだまだ精神的に未熟です。

しかしいつまでもうだうだ言ってはいられないので、今日は集中して一人で、ただただもらった振付を踊り続けました。

最初はど根性でとにかくやる。
そのうちに振りの仕組みが分かってくる。
それがわかってくると解決策がわかってくる。自分の苦手が見えてくる。
そこからこうしてみたら?ああしてみたら?という体の模索が始まり、研究し始めるうちにその振りに愛着が湧いてくる。

といった具合に、体を入り口に心が解きほぐれていきます。
最終的には、心が解放されていないことが一番の問題点だったことがわかる。

そんな時、はじめて人前で踊った時、何もできなくて、ただ椅子にしがみついて、踊る仲間たちを見ていた学生時代の自分をふと思い出します。
あれが僕のダンスの原風景です。

今、ダンサー・振付家と名乗っている私は今でも、この風景がありありと思い出せます。
と同時にその時手を差し伸べてくれた人のことや、仲間たちのことを今でもはっきり覚えています。

「自分は踊れない」
それが僕のダンスの始まりだったのです。

年末、久しぶりに人の振付で踊ります。自分の作品ももちろん見てほしいけれど、自分が踊る姿をぜひ見に来ていただきたいです。
7年前の自分に胸が張れるよう、精いっぱい踊ります。

●次回出演作品

schatzkemmr × 京極朋彦ダンス企画 「 HOUSE 」

日時 2012年12月21日(金)19時半、22日(土)14時/19時、23日(日)14時
場所 アトリエ劇研


夏目美和子(schatzkemmr )、京極朋彦(京極朋彦ダンス企画)が、森本達郎(schatzkemmr )デザインの舞台美術を共通に使い、振付作品を創作し、二作品を同時上演します。

schatzkemmr作品 『スモールハウス』
待ちくたびれる女と家に帰れない男の話。ハンカチーフのご用意を。


出演


夏目美和子 松本芽紅見 京極朋彦 河合良平

facebook





京極朋彦ダンス企画「いったりきたり」
振付・演出 京極朋彦
出演 倉田翠 松尾恵美
衣装 清川敦子
私たちはいつも、いったりきたりしたい
出ていったり、帰ってきたりしたい
何かいい事がやってくるのを待っていたいし
どこか遠くへいってみたい
いってばかりじゃ寂しくて
時には帰ってくる人を待っていたい
もし帰ってくる場所がなくなったら
どこへいったらいいのだろ?
私たちは、それでも、ただ、それはもう、いつでも
いったりきたり、いったりきたりしたいのだ
問い合わせ 
mail : info@schatz-kammer.com




0 件のコメント:

コメントを投稿