2012/12/26

体の未来 

先日schatzkammer×京極朋彦ダンス企画 「HOUSE」にご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

京極朋彦ダンス企画、新作『いったりきたり』は、直前でのダンサーの故障による出演者変更というアクシデントに見舞われながらも、皆様の助けにより上演を終えることができました。

出演を予定していたダンサーの踊りを、楽しみにしていただいた方々、大変申し訳ありません。

今回の出演者変更は、ひとえにダンサーの体調管理に気を使えなかった振付家である私の責任です。
自分が出演しない、初めての作品で、このような事態になった事、振付家としての未熟さを痛感しております。
しかしながら、演出助手として稽古に着いてくれていた山崎恭子がダンサーを務めてくれました。

彼女は本当に頑張りました。尋常じゃないくらいの頑張りに、彼女の彼女にしか踊れない踊りが浮かび上がる瞬間を見ることができました。
そしてスタッフの皆さんも本当に最後まで粘ってくれました。
そして公演初日には、この『いったりきたり』という作品を自信を持って上演しようと思うことができました。本当に皆さんに感謝したいと思います。

今回のことで、出られなかった倉田翠、出演した松尾恵美、山崎恭子、そして最後まで衣裳直しをしてくれた清川敦子、皆が強くなったと思います。
この作品は必ず再演します。力強いメンバーに支えられ、僕は振付家としての第一歩を踏み出しました。

僕は路上で一人で踊り始めた人間です。誰一人僕の踊りを立ち止まって見てくれる人などいませんでした。
しかし今では僕のやることを支えてくれる人たちがいます。その人たちのために、何より自分のためにも、歩みを止めることはありません。

打ち上げで、ある人に「コンテンポラリーダンスに未来はあるか?」
と問われて僕は「今まで思い描いていた未来はもう無いかもしれないが、形を変えた未来はあるし、それを作ります」と答えました。


今回、京都の小さな劇場ではありましたが、本当に行く先のわからない不安を抱えながら一分一秒後の未来をダンサー達と共に作りました。
そしてそれを、誰がなんと言おうと、引き受けると決めました。

そこには差し迫った目の前の未来を、今創っているという緊張感がありました。それはアクシデントがあったからこそのことだったかもしれません。
しかし確かな手ごたえがありました。初めて自分が出ない自分の作品を必死で見つめ続けました。
そこには確かに未来があったように思います。

2月、再びソロダンスを踊ります。初心に帰り、自分の体、そしてその未来を、もう一度見つめなおしてみたいと思っています。


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